まぶしい(羞明)

まぶしい(羞明)について

まぶしく感じる状態を、医学では羞明と呼びます。
羞明の症状の範囲は広く、「以前よりまぶしさを感じる」という状態から「目を開けられないぐらいまぶしく思える」という状態まで、一通り該当します。
また、「光源の周りに光輪を目にするようになった」「屋外などで光を強く感じて物を明確に見る事ができない」といったケースも同様に羞明という状態に含まれます。
羞明の原因も様々で、原因を切り分けて考える意味でも、ケアの前の問診では痛みを感じるかどうかという点から、疾患を探っていきます。
例えば、黄斑が縮んだ状態や変性のある時はまぶしさがあるものの、目に痛みを感じる事はありません。
水晶体が白内障の影響で濁った時や動眼神経麻痺によって瞳孔が開いている時も同じく痛みが発生しない状態です。
一方、ぶどう膜炎や急性緑内障発作、角膜に損傷が見られるケースに関しては、まぶしさに加えて痛みを感じやすい傾向があります。
ただ、痛みの有無に関係なく眼科にて適切な検査をすることを推奨しています。まぶしさにお悩みなら、当院までご相談ください。

眼科の診察が必要なまぶしい状態について

わずかな光でもまぶしく思えたり、ある時を境にまぶしく見えるようになった時は眼科の診察を受けるのをおすすめします。特に痛みなど、まぶしさとは別の症状を伴うケースでは、早期にケアを行うのが望ましいです。
診察では、まぶしく感じ始めた時の様子や期間、症状などについてお聞きした上で、原因の絞り込みを行います。受診される前に症状などをまとめておくと、やり取りがスムーズになりますので、おすすめします。

まぶしい(羞明)の原因について

白内障

白内障は目の内部に存在する水晶体が少しずつ濁ってきてしまう疾患です。
濁るスピードや濁り方は個人差があります。
初期変化として目のかすみ、まぶしさを感じやすくなる他、視力が下がってしまうケースも存在します。

角膜炎

角膜炎は眼球の外部に存在する角膜に炎症が発生している疾患です。
角膜は涙に守られているので、細菌やウィルスなどが接触しづらい形になっていますが、角膜は目を構成する組織の中でも一番外側の位置にあるため、感染源と接触が起こりやすい状態にあります。
角膜に損傷などが起きてしまうと涙の性状が変化し、防御機能が落ちてしまうので感染リスクが高まります。
同様に、損傷してしまうと眼表面がスムースではなくなり光の通りが妨げられるため、視界がまぶしく感じやすくなります。

結膜炎

結膜炎とは、結膜に炎症を発生している疾患です。
症状としては、目の痒みや目やにの増加、充血などが挙げられます。
症状が進行すると、まぶしさや普段とは違った違和感が加わる事もあります。
強い痒みを感じることが特徴で、結膜の損傷を防ぐためにも手で患部を触らないように注意する必要があります。

ぶどう膜炎

ぶどう膜とは、眼球を覆うように広がっている膜です。
脈絡膜や虹彩、毛様体といった3種類の組織で構成されており、炎症が発生したものをぶどう膜炎と言います。
ぶどう膜炎になるとまぶしさを感じるほか、目の充血やかすみ目などになりやすく、飛蚊症の原因になることがあります。
網膜にまで炎症による影響が及ぶと視力が低くなったり、失明する可能性が出てきます。

網膜色素変性症

網膜に存在する視細胞が、時間の経過とともに働かなくなってしまう疾患を網膜色素変性と言います。
特徴として、機能しなくなった細胞部分が色素沈着し、黒色に変色することが挙げられます。
なお、網膜色素変性症は遺伝性疾患で、進行すると、視力が下がったり、視野が狭まるなどの症状が現れることもあります。
また、網膜色素変性症の方は暗い中でいつも以上に見えづらかったり(夜盲)、明かりの強い所でまぶしさを感じやすくなってきます。
進行すると日常生活にも影響を感じやすい疾患だと言えるでしょう。

ドライアイ

ドライアイは十分な量の涙が出なくなり、目が乾いてしまう疾患です。
目の潤いが無くなってしまうと、目元に痛みを感じ、乱反射した光をまぶしく感じることもあります。

目にまぶしさを感じる状態の対処やケアについて

まぶしさに敏感になるケースでは、目に蓄積された疲労が原因になることもあります。
目そのものに異常が出てまぶしさを感じる場合、十分な量の涙が出なくなり、目の水分が失われてしまった事もあります(分泌減少型ドライアイ)。
目を休めて疲労解消に努め、不衛生なコンタクトレンズの使用を避けるようにしましょう。
また、モニターやスマホ画面を長時間見ているのも目の疲労や乾燥を招くので注意してください。
水分が失われて目が乾いてしまうと、目を構成している各組織の損傷リスクも高まりますので、目に潤いを与え、乾燥させないように心がけましょう。

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