スマホ老眼

スマホ老眼とは?

人間の目には水晶体というカメラのレンズと同じような役割を持った組織があり、光を屈折させて物を像として見えるようにする働きをしています。この水晶体は通常であれば薄い凸レンズのような形をしています。しかし、近くの物を見る時は光の屈折を調整してピントを合わせるため、毛様体筋に引っ張られて水晶体が厚くなります。スマホなど近くにあるものを長時間見続けることで、毛様体筋が常時引っ張られることになり固まります。次第に毛様体筋の働きが弱くなり、遠くのものを見ようと思ってもピント調節が困難になります。これにより、スマホなどの画面を長時間見続けることで目の筋肉の働きが弱まり、画面から目を離したときにピント調節がうまくできず、スマホ画面がぼやけて見えにくくなり、スマホ老眼となります。一方の老眼とは、加齢とともに水晶体の柔軟性が弱くなることで伸縮性が悪くなり、ピント調節が難しくなります。

「老眼」と「スマホ老眼」の違いとは

「老眼」とは、加齢によって目のピント調節機能が悪くなり調節幅が狭くなる状態です。元々遠くが見えていた方が老眼鏡を早くかけるようになる原因になり、遠視・近視とは別の症状となります。
一方の「スマホ老眼」は、一時的なものが多いですが、スマホの画面を至近距離で見ることで眼の筋肉が緊張し続けることにより、ピント調節機能が老眼と同様に働かなくなります。繰り返し起こるうちに症状が重症化し、強い眼精疲労や頭痛につながる可能性もあるため注意が必要で、一定時間が過ぎたら眼をリラックスさせないといけません。

こんな症状ありませんか?

次のような症状を自覚した場合、スマホ老眼になっている可能性があります。

今現在症状がなくても、スマホの長時間使用によってスマホ老眼を発症しやすくなります。日常でスマホを使いすぎていると思われる方は、早めの対策を心がけましょう。

スマホの使い過ぎには注意しましょう

スマホ老眼は、ピントが合っていなくて少し見にくい状態であっても、見続けて放置することで目に大きな負担がかかります。これによって目の疲労感・頭痛・肩こり・首の痛みを引き起こしやすくなります。このようなことから、スマホ老眼を防ぐために次のようなことを気にかけながら対策をはじめましょう。

画面の照度を調整する

スマホを見る際、明るすぎる画面は眼に過度な負担をかけることになります。疲労が原因で瞳孔の動きや働きが弱っている方は、光が入る量を調節できず光が入りやすい状態になり、益々眼精疲労につながります。そのため、照度は文字が見えづらくない程度に下げ、屋内・屋外問わず明るさに応じた画面の照度を調節できる自動調節機能を設定しておくことをお勧めします。

画面は目からなるべく離す

スマホの画面が近いことで、眼の中にある毛様体筋にかかる負担が増加します。なるべく画面から目を離してみるようにしましょう。

適度に目を休ませる

スマホを長時間使用することは避けたいものの、仕事などでどうしても必要とする場合にはスマホを見る時間を区切り、目を休めながら使用するようにしましょう。

まばたきの回数を増やす

スマホを見るために眼を見開いてまばたきが減ることが知られており、このことでドライアイのように目が乾燥しやすくなります。ドライアイでも見づらくなり、眼の中にある毛様体筋に負荷をかける原因となります。意識してまばたきをするようにし、目を乾燥させないように心がけましょう。人工涙液や角膜保護の点眼薬を良く処方します。

寝る30分前はスマホを見ない

寝る直前までスマホを見続けることで、良質な睡眠へと導く副交感神経への移行が上手にいかなくなります。寝る30分前にはスマホ・パソコンの使用は控えるようにしましょう。

スマホを使うときはメガネにする

通常、コンタクトレンズは眼鏡の度数よりも遠くが見えるように設定されていることが多く、コンタクトレンズで近くを見る時は眼の中の毛様体筋に負荷がかかりやすくなります。スマホ・パソコンを使用する時は、コンタクトレンズよりも眼鏡を使用することをお勧めします。ドライアイになりやすい環境で、コンタクト装用は勧めません。

スマホ老眼の人は角膜が傷ついている可能性も

スマホ老眼の自覚症状がある方は、目の疲れが溜まっていることがあります。また、角膜が傷ついている可能性もあるため角膜のリスクを確認しておくことが大切です。角膜に傷がある場合には、次のような症状が起こることがあります。

など

角膜とは、目の表面にある厚さ0.5mmと非常に薄い膜のことをさします。また、細胞が露わになっているため、目を酷使するだけで簡単に傷つきます。日常的にスマホやパソコンを使用する方や、目の乾燥を自覚している方は注意する必要があります。スマホ老眼になっている方は目を酷使しているため、角膜に傷がついている可能性が高くなります。スマホの使い方を見直し、目にかかる負担を減らすとともに、目の乾燥の改善・角膜修復成分が配合された目薬を使用することも大切です。

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