小児近視の進行抑制治療『リジュセアミニ』のご案内

小児の近視とは

小児の近視とは生まれたばかりの赤ちゃんの目は、一般的に軽度の遠視傾向にありますが、成長とともに眼球の形が整い、6歳頃から8歳頃にかけて「正視」と呼ばれる、遠視や近視のどちらでもない状態へと近づいていきます。
8歳頃から近視が徐々に進んでいくことが一般的ですが、近年ではパソコンやスマートフォン、タブレットの利用が低年齢層にも広がっており、それに伴って子どもの近視がより早い年齢で始まるケースが増えていることが指摘されています。

近視の進行予防がなぜ重要なのか

近視の進行予防がなぜ重要なのか小児に多く見られる近視のタイプは、眼球の前後の長さ(眼軸)が過剰に伸びてしまうことでピントが合わなくなり、遠くが見えにくくなるものです。
いったん伸びてしまった眼球は、自然に元の形に戻ることはなく、そのまま放置すれば近視がどんどん進行してしまいます。そのため、早期から眼軸の伸長を抑える対策が重要です。その対策の1つとして注目されているのが、「マイオピン(低濃度アトロピン点眼薬)」です。マイオピンは、眼軸の伸長に関与するムスカリン受容体の働きを抑える作用があり、近視の進行を抑える効果が期待されます。

小児近視進行抑制点眼薬「リジュセアミニ」とは

小児近視進行抑制点眼薬「リジュセアミニ」とは当院では、小児の近視進行を抑える新たな治療法として「リジュセア0.025%点眼液」を導入しています。この薬剤は、5歳から15歳のお子様を対象とした日本国内の臨床試験において、近視の進行を有意に抑える効果が科学的に示され、2024年12月に「近視進行抑制」の効能で初めて正式に承認されました。

リジュセアは、眼の奥にある「後部強膜」に薬効成分がしっかりと届くように設計されており、瞳孔への影響も極めて少ないという特徴があります。また、防腐剤を一切含まない1回使い切りタイプの容器となっており、長期的な使用も見据えた安全性に配慮されています。

治療の適応条件

リジュセアによる治療は、以下のようなお子様に適しています。

  • 軽度~中等度の近視がある
  • 年齢が5歳から15歳の範囲に該当する
  • 1〜3ヶ月ごとの通院が可能で、定期的に経過観察を継続できる

リジュセアの主な特徴

  • 毎晩寝る前に1滴点眼するだけで、日常生活に大きな負担をかけずに治療が行えます。
  • 臨床試験では、近視の進行を平均で約6割抑制できる可能性が示されています。
  • 遠近調節機能への影響が少なく、近くのものを見る作業にも支障が出にくい設計です。
  • 日中の光がまぶしく感じるといった副作用もほとんどなく、サングラスの使用は基本的に不要です。
  • 近方視力の低下や累進屈折眼鏡の装用も必要ないため、学習や読書にも支障がありません。
  • 両眼に点眼する用量が1回分ずつ分包されており、使い切りタイプで衛生的です。

リジュセアミニの正しい使い方

  • 就寝前に1日1回、両目に1滴ずつ点眼します。
  • 容器は1回分ずつ分かれていますので、点眼の直前に1本を切り離して使用してください。
  • 薬液の入っていない部分を持ち、先端をねじって開封します。
  • 下瞼を優しく下に引き、まつ毛や瞼に触れないように点眼してください。
  • 点眼後はまばたきをせず、1〜5分ほど目を閉じて目頭(鼻寄り)を軽く押さえます。
  • 余分な薬液があふれた場合は、清潔なガーゼやティッシュで軽く拭き取ってください。
  • 他の点眼薬と併用する場合は、5分以上の間隔を空けて使用してください。
  • 防腐剤が含まれていないため、一度開封した容器は再使用せず、薬液が残っていても廃棄してください。
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